摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語。抜粋
摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語。
図書館で借りて、付箋だらけですよん。
ファンタジーのお話には隠喩があって、そこから得られる叡智を説いている。という流れ。
乱れた食行動はなぜ起こるのか?
なぜそれをするのか?
そうする人の心理状態は?
難しい見解や言葉でなくて、小学生でもわかるように書いている。
だからスッと入っていきた。
図書館で借りたけど買おうと思う。
いいと思ったセンテンスを抜粋します。
埋められた月〜女性らしさの再発見〜
女性の精神は、養育的で協力的な人間関係をを育み、男性の精神は自主性、独立性、そして個性を育みます。
私たちの持つ女性的側面は賢く、直観的に心理をとらえ、オープンで、内面と外面両方からの情報を思慮深く受け止めてくれます。心理や未来像や真髄を受け止める器のような役割を果たすのです。
逆に男性的側面は行動を起こし、とても意図的で集中的で直接的です。私たちの思考や感情を論理的に説明して整理する、知的で理性的な側面をも言えます。
したがって、私たちの真理を明確にわかりやすく、世界へと発信する媒体のような役割を果たします。
両方のバランスが保たれて協調的な働きをすると、自分の中の男性サイドが女性サイドを尊重・サポートし、世界への旅の道中を守ってくれるような「素晴らしい結婚」ができるのです。
理想的な状態としては、次のような例が挙げられます。
・女性サイドが「寂しいな」と言えば、男性サイドは座って友人への手紙を書く。
・女性サイドが夢を語り、男性サイドがそれを整理して計画を立てる。。
・女性サイドが友人に傷つけられたとき、男性サイドが感情を言葉で表し、なぜその友人のしたことがきずつくようなものだったのかを説明する
・女性サイドが「お腹が空いたな」と言えば男性サイドが食べ物を買いに行ったり料理をしたり、ときに「それは体の空腹?それとも心の空腹?」と尋ねたりする。
私たちが暮らす社会では、女性らしさと男性らしさのバランスが崩れ、男性的な本質がはるかに推奨される一方、女性的な本質は押さえ込まれています。明確な目標に基づいた活動、、業績、そして効率ばかりが評価され「〜をすること」が「〜であること・いること」よりも大切とされています。物事の取り組み方や趣旨よりも業績が重視されているのです。つまり、知性が心よりも大切にされているということです。またより良い人間関係を築くことよりも金銭的な成功の方が重要とされています。
技術の向上の方が内なる英知より重視されています。
つまり文明化によって「月が失われてしまった」のです。
激しく攻撃的で無鉄砲なエネルギーと、内面的で深い愛情にあふれ、生命の維持や協調的な関係をサポートする力とのバランスが崩れているがゆえに、私たちは今、不幸への崖っぷちに立たされています。
そして、このバランの崩れが私たちの心にも影響を及ぼしています。
このような文化のもとで暮らす以上、自身の男性サイドが女性サイドを支配、コントロールし、批判的にならざるを得ないからです。
私たちは感情を抱いたり、表現したりするのではなく、それを不合理だとして否定し押し込めるようにと教えられます。夢や直観を重視せずに、論理的でないからと無視して馬鹿にする。自分の体からのニーズを信じて食べたり運動するのではなく、緻密に作り上げたダイエットプランやガチガチの運動プランに従う。物事に対する認知や理解が正しいかどうかを判断するとき、外からの情報や図解にばかり注目して直観的な反応を無視する。その結果…
・女性サイドが「寂しいな」というと、男性サイドは寂しさを感じる理由なんて一切ない切り捨てる。
・示唆に富んだ夢を見たとき、男性サイドはそれを笑い、「ただの」夢じゃないかと片付けてしまう。
・友人の行動で傷ついたとき、自分が敏感すぎるだけだ、と言ってしまう。
・お腹が空いたと感じたとき、食べ過ぎだと自分を批判する。
乱れた食行動がここまで多発しているのは、明らかに社会、そして私たち自身の中で男らしさと女性らしさのバランスが崩れているからなのです。
多くの女性が、世界から女性らしさを否定されるだけでなく、自分本来の女性らしさを拒絶することによって、絶望感や疎外感を味わっています。
乱れた食行動で苦しむ女性の心は、やたらと発達した男性サイドが常に女性サイドをコントロールしようとしている状態にあります。
…
乱れた食行動の克服には、ゆっくりと時間をかけ、自分の女性的側面を再発見しよう、と強く意識することが不可欠です。そうすることで、男性的側面と女性的側面とのバランスを保てるようになるのです。
私たち自身の内面にいる賢い女性に助言を求めなければなりません。
依存〜精神的・感情的な飢え〜
依存性のある行動は、感情をコントロールしようとする努力を表しています。
そしてそれ以上に、人生自体の流れをコントロールしようとするものです。依存症に苦しむ人は、物事をありのまま、自然の流れに任せるということができません。常に正しいあり方、より良いあり方、そしてより完璧なあり方でなければ気がすまないのです。
依存は、耐えられないと感じた現実から私たちを逃避させてくれます。
解決できないように感じる悩みやジレンマからの逃避ルートとなってくれるのです。
自分が嫌でたまらないとき、そして存在していること自体に苦しみや疑念を抱いているとき、依存は私たちを無意識の状態へと誘います。無意識状態にあると私たちは何も感じませんし、痛みや混乱、苦悩の存在もわかりません。過食をしたことのある人は、誰もがトランス状態を経験したことがあるでしょう。過食が続く限り、現実の影が薄くなったような感覚に陥ります。逆に自分を飢えさせている人はだんだんと麻薬中毒のような、「ハイ」な状態の誘惑に勝てなくなるような経験をします。走ることに依存している人も、よく陶酔感を味わいます。
食行動に依存している人というのは、心や魂の飢えに苦しんでいます。
食べ物に対する強い欲望は、実は心や魂が糧を求めているのです。
摂食障害はアルコール依存や麻薬依存のような物質依存ではなく、行動依存だということを覚えておいてください。つまり、乱れた食行動に苦しむ女性は、食べるという行為に依存しているのであって、食べ物に依存しているわけではないのです。
問題は食べ物ではありません。
どれだけアイスを流し込もうとも、どれだけクッキーを食べようとも、どれだけマフィンをむさぼろうとも、欲望を満たすことはできません。なぜなら、食べることで満たされているのは胃であって心や魂ではないからです。
乱れた食行動を克服するためには、飢えているということをまず認識しなければなりません。自分が必要としている食べ物は、物質的な食べ物ではないという理解が必要不可欠です。精神的な飢えを認識して、それが象徴するものを認識できてはじめて、本当の意味で飢えを満たすことができます。
本当に切望しているものを思い出さなければなりません。
自分に「今本当に欲しいのはこれじゃないよ。本当に欲しいのは愛情。今欲しくてたまらないのは、思いやりと受け入れられること。クリエイティブに自分を表現すること。そして人との心からのつながりなんだよ」と思い出させてあげなければならないのです。
本当に切望しているものを自分に気づかせてあげることおしっかりと習慣といて定着させ、飢えを自覚しながら一歩一歩根気よく歩き続ければ、もうこのステップを忘れることはありません。
象徴〜飢えをメタファーとしてとらえる〜
悲しみや痛みを感じているときに、慰めや精神的な支えの代わりとして食べるということもあります。感じたくない気持ちから逃れるために、麻薬やアルコールの使用・乱用と同じように食行動を用いることもあります。戸惑いや葛藤にうまく対処できないとき、自分を飢えさせれば肉体的な感覚を感じなくなり、自分の気持ちに何が起こっているのかを感じなくてすむこおに気がつくかもしれません。
お腹いっぱになりすぎると、呼吸がしにくくなります。
呼吸ができないということは、感情を経験できないということになります。
食べ物や食べることに関する葛藤から解放されるためには、メタファーについて学ばなければなりません。空腹感はさまざまな感情、ニーズ、そして欲望を表しています。
乱れた食行動を克服するためには、空腹感に隠されている意味を探し出さなければなりません。そうすることで、無茶食いしたいという欲望は、心の何かが満たされてないことの表れだと気がつけるようになるのです、
感情〜心からの贈り物〜
過食や嘔吐、無茶食いや拒食、食べ物や痩せることへの執着、そしてファットアタックを引き起こしているのは、感情そのものではないと理解することが大切です。私たちが感情を感じないようにしていることが原因なのです。乱れた食行動に苦しむ女性たちは、誰よりも自分の抱く感情を恐れています。自分の体を疑い、体の最も正確なコミュニケーション手段である感情を大切にしていません。
彼女たちは、「頭で生きている」といえるでしょう。というのも、思考に物事を支配させて感情をどこかに閉じ込めてしまっているからです。悲しいことですが、彼女たりの多くは、自己認識が克服への最も大切な鍵であるということに気付けないのです。
乱れた食行動を克服するにあたっては、感情に対する批判を捨てて、感情に「良い」も「悪い」もないと理解することが必要不可欠です。正しい感情、間違った感情などというものはありません。感情は感情、ただそれだけです。唯一「ネガティブな」感情は、自分で受け入れることができない感情です。
感情と行動を区別することは、とても大切です。行動はコントロールできますが、感情はコントロールできません。
感情はきちんとにんしきされなかったり受け入れれれなかったりすると、トラブルを起こすことがあります。感情はエネルギーの波で、私たちの中を流れていくことも、それを塞いでしまうこともできます。けれど、ただ消え去ることはありません。無視したり押し殺したりすると、ますます力を増し、ねじれて間違った方向に表現されてしまうのです。
乱れた食行動を克服する鍵は、感情たちと友好的な関係を築くこと、批判ではなく好奇心をもって接すること、そして彼らが運んできてくれる贈り物を受け取ることにかかっています。
乱れた食行動から解放されるために感情との関係を変えたいと思っている人は、まず最初に、感情を自覚する力をつけ、今、心がどういう状態にあるのかを感じられるようにならなければなりません。まずは全ての感情を批判することなく受け入れなければなりません。
人間関係
真実をうたうということ
乱れた食行動で苦しむ女性たちは、両親、恋人や夫、女友達、同僚やクラスメートの歌声や、彼女たちが暮らす社会のコーラスを聞くことに忙しすぎて、自分の美しい歌を聞くことがでてきていません。自分らしさを探求したり自分のユニークな声を表現する代わりに、自分がどうあるべきか、どう見えるべきか、何をすべきか、そして自分が何を欲するべきかを他人に決めさせてしまうのです。自身とのつながりを切望したり、自分らしくいられないことが耐えきれないと感じていたりするため、食べ物のことを考えて心をいっぱいにし、まるでトランス状態にあるかのように、本当に欲しいものに気づかないまま、自分の生き方を食い尽くしてしまうのです。
乱れた食行動から解放されるためには、人間関係に個性や自主性といっった男性的な側面を取り入れなければなりません、
慈しみ
乱れた食行動で悩む女性たちは、世の中では何が認められているかを見定めることができ、とてもよく適応します。けれど、それが自分の本当の姿とは異なるという感覚を常に持ち続けています。ただ、周りの動きに流されているような気がしたり、何かしらの空虚さを感じていて、それを食べ物で埋め合わせようとしてしまうのです。
心を開いて、感情の威力を正面から受け止めてはじめて、感情は乗り越えなければならない障害ではなく、英知や導きへの通り道であると理解するこができます。そして感情を抱かないようにするために食べたり拒食したりする必要がなくなるのです。
乱れた食行動に苦しむ女性たちも、自らの感情に秘められた力を認識できてはじめて、自身の女性性の魂からの導き、サポート、そして慈しみにアクセスすることができます。
自分の内面に存在する「賢い女性」を知ることができるのです。
乱れた食行動で苦しむ女性たちは理由は何であれ、インナーマザー(内なる母親)、つまり自分を慈しんでくれて、思いやりにあふれあt導きを与えてくれる側面とのつながりを失ってしまいます。感情を拒絶したり批判したりすることで、切望している導きやサポートを得ることができず、いつも栄養が足りていないように感じ、それを食べ物で補おうとするのです
彼女たちのインナーマザーは若い母親のようにとても未熟で、自分に自信が持てていません。そのため、心の糧が欲しいというリクエストにうまく答えられずに、逆に彼女たちを困惑させてしまうでしょう。
甘やかし過ぎると思ったら、次の瞬間には愛情を与えず批判的になる、という風雨に、そしてこの関係性が食べ物に反映されてしまうのです。食べ物は糧の象徴ですから。
彼女たちは、子供のことを過度に甘やかすのではなく、バランスよく愛情でもって世話ができる、より成熟したインナーマザーを育てる必要があります。
どうあがいても過去は変えられません。けれど、将来はまた別です。自分自身に必要な糧を与えてくれ、ただ生き抜くだけでなく成長し、より良い日々を過ごせるようにと導いてくれるような、良いインナーマザーを育てる能力が自分にもあるということを認識することが大切です。
どうすれば良いかって?自分のことを大切な我が子のように扱うのです。
たとえば、何かミスをした時に、ただ自分を叱りとばすのではなく、そこから学べるように見方を変えます。つまり、「なんてバカなことをしたの!」と叱るのではなく、「今回の経験をもとに、次はどうすればいいかな?」と自分にたずねるのです。
みやみに他人の見方を受け入れたり、他人を満足させるために頼まれたことを考えなしにやってあげるのではなく、自分の直観を信じるのです。
絶えず自分を向き合い、「これはどう感じる?本当にこれをやりたい?」と聞いてあげる必要があるのである程度用心していなければならないかもしれません。
こうした努力が、高次の意識を持ったインナーマザーの成長へとつながります。インナマーザーはあなたがどういう人かに基づいて情報を集め、愛情をもって、その情報を使って乱れた食行動を克服できるよう、また生涯にわたって、あなたを導いてくれるでしょう。
このインナーマザーは一瞬一瞬、常にあなたのニーズに気を配っているのです。
直観
感情を受け入れてください。批判することなく、ただ流れに任せて受け止めてください。何を感じている「べき」かではなく、今何を感じているかに集中してください。ひとつでも押しやって隠してしまった感情があると、直観にはアクセスできません、いろいろな感情を知り、それぞれが体のどこにサインを送ってくるのかを知ることも大切です。そうすることで、直観的な衝動を恐れと取り違えることがなくなります。
自己批判は一切捨ててください。直観からのメッセージを批判するのではなく、好奇心をもって、いろいろな質問を投げかけてみてください。「どうして仕事に行きたくないんだろう?何かが引っかかっているけど、何だろう?どうしてこんな風に影響されているんだろう?この状況がどう変わったら、すっきりするかな?」好奇心をもって質問をするたびに、内なる導きを呼び起こすことができるのです。
私たちは自分自身が一番よく答えを知っているのに、外の世界に答えを求めすぎているのです。あなたという人間の中心には、導きをあたえてくれる賢くて思いやりにあふれた女性がいる、ということを忘れないでください。彼女は自分の声を聞いてほしいと願っています。